先週の土曜日、ゲスト講師としてお話させていただく前に、
「こまつ町屋」をご案内いただきました。
石川県小松市の町並みの基盤ができたがは江戸時代ながやそうです。
そこで豊かな町衆文化が育まれてきました。
ところが昭和5年、7年と相次ぐ大火により、
合わせて1880棟が焼失するという災難に見舞われます。
大火のあと、延焼を防ぐ工夫が施された建て替えが進められ、
今のまち筋が仕上がったと聞きました。
空襲を免れて残った昭和初期の町並み。
小松市の大切な歴史・文化遺産として残していくために
「こまつ町家認定制度」というのが生まれ、平成20年からの7年で123軒が認定されちょりました。
その中の一軒「本村邸」にお邪魔しました!
旧持ち主は大正から昭和にかけて栄えた絹問屋、
釘隠しの飾りにも、桑の葉と繭や糸をたぐる道具などの意匠が粋に施されてます。
帯留めにしたいくらいステキな意匠ですね
全国各地から集められた銘木が、床柱や天井板に惜しげも無く使われるなど、
ため息が出るほどに贅を尽くしたつくりで、まるで銘木見本市!!!
壁の色は三代藩主前田利常公好みのコバルトブルー、
当時ラピスラズリを使った最上級に高価な顔料だったそうです。
でね、めったに覗かんやろ、そこ!
って床の間の天井にこれまた高級な材があしらわれてる訳です。
欄間の意匠もため息もん。
ただ一箇所、欄間の入ってないお部屋がありました。
これは「まだ完成(終了)を迎えてませんよ」という、
商売人の縁起担ぎとも言われてるそう。
他にも興味深かったのは、これ!
「借り壁物置」という、今では考えられない空間利用!!!
お隣との僅かな隙間に、ちょこっと収納部分を張り出して物置にしちゃうアイデア、
現在の建築基準法に当てはめたら絶対ありえんき(笑)
本来「壁」であるべきところにある引き戸を開けてみては、
ほっそい数十センチの隙間利用を思いついた先人の知恵に笑い転げたのでありました。
こちらの町家にあった蔵の中には大きな瓶が置いてありました。
蔵の中の乾燥を防ぐのと消火のためにあるらしい。
「カンパチの水を入れておくと絶対腐らない」カンパチって魚ちゃうよ、
寒の入りから数えて八日目の水、ながやって。
もう一軒伺った、こちら旧鈴木商店さんとこの二階にも消火用の水槽が備えられており、
丁稚さんが「カンパチの水」をせっせと運んだそうです。
さらに、商売用の絹織物を保管した蔵(右端)には地下水槽が構えられちょって、
ここにもカンパチの水!生糸は乾燥すると糸が切れやすくなるので湿気が無いといかんがやって。
ちょっと湿気がある方が「目方も上がって商売繁盛w」だったとか(笑)
道路側にある通風口から叫んだら、
すんごい美しい反響♪
周りの裾石は金沢城の石垣にも使われているという
「戸室石(とむろいし)」、
「あ、室戸の反対ね」と反応してしまう高知県人(笑)
母屋の二階を見上げると繊細な張り出し窓が。
「出虫籠(でむしこ)」ゆうがやって。
耳にした最初の印象は「何語???」みたいな音感(笑)
歩きもって、デムシコ、デムシコって口に出すと妙に楽しいwww
借り壁物置といい、出っ張って空間を作り出すのが得意な町家です。
このちょこっと空間に町衆たちの遊び心を感じました♪
夜の懇親会で連れて行って頂いたお店も、
「町家ばる 山水悠」「ぎゃるり安穏」「みなとや食堂」など
全て町家を活用されたものでした。
町家の活用をすすめる遊び心満点の持ち主さん、
住居としてらっしゃるのに「人が来るから家が片付くわ」とにこやかに招き入れてくださる方、
町家空間の魅力に惚れ込んでる店主の方々、
まるで自分の宝物のように町家を案内してくださるガイドさん。
まちの歴史を守る仕組み、
まちの歴史を活かす仕組み、どちらも沢山の人の知恵とエネルギーで作られちゅうのが素晴らしかったです。
歴史と一緒に住まう町、またゆっくり訪れたいな。
案内されゆううちに気分はブラトモコ、
タモリさんの気分で街歩きを楽しんだ報告ブログ、
ポチッと応援クリックよろしゅう♪四国人気ブログランキングに参加してます^^v
posted by 智子 at 00:16| 高知 ☁|
Comment(2)
|
TrackBack(0)
|
つぶやき
|
|